いぶし瓦 葺き

 いぶし瓦とは、古くから日本家屋や寺院などに使われてきた災害に強い粘土瓦の一種です。二回にわたって焼き締め(焼成)て吸水率を下げ、その後特殊ガス(昔は松の葉)で燻製することにより瓦の表面に炭素膜を表面に作ります。
 
 その結果、耐久年数は約60年(メンテナンスによっては100年以上)と非常に劣化に強くなります。色味は経年により銀色から黒っぽい色に変化していき、趣があると感じられる方も少なくありません。
 
 最近では、洋風な住宅やモダンな住宅に合ったデザインのいぶし瓦もあり時代に合わせた変化を遂げています。
 
 また、他の屋根材と比較しても断熱性が高く、年間を通じて居住空間を快適に保つだけでなく、湿気にも強い性質を持っています。
 
 懸念点としては、二回の焼成や燻製が必要という特性から、コスト面では比較的高くなる傾向にあります。

釉薬瓦 葺き

 釉薬瓦とは、陶器瓦とも言われ釉薬を使って瓦表面にガラス質を作る加工を施された瓦です。いぶし瓦と焼成の工程は同じですが、焼成前の釉薬使用という点で異なり、釉薬を使用することで様々な色合いを出すことが可能になっています。カラーの豊富さから和風だけでなく洋風の住宅など幅広く対応しています。

 経年による色の変化が少なく、断熱性能や湿度への強さや耐久性能などはいぶし瓦と同様です。いぶし瓦と比較して住宅用の製品が多いため、軽量でメンテナンスの必要も少ないです。

シングル材 葺き

 シングル材(シングル屋根材)とは、無機系(ガラスなど)の基材にアスファルトをコーティングした板状の屋根材で、表面に石粒が吹き付けられています。北米で開発され、100年程前よりアメリカで普及しています。

 優れたデザイン性や機能性を持ち、軽量で加工しやすい上、柔軟性がありヒビや錆がありません。また、石粒により表面が傷つきにくくなっており耐久性や防水性に優れています。加えて軽量であることから耐震性もあります。

 しかし、強風に弱いため石粒が落ちたり、はがれることがあるため、外見の劣化もみられるため約5年から10年に1度メンテナンスが必要となります。耐久年数は、約20年~30年と瓦に劣る傾向にあります。

 メンテナンス方法としては、葺き替え、カバー工法 (既存の屋根材の上から被せる施工法) 、塗装、部分補修などがあります。

金属屋根 立平葺き

 金属屋根は金属素材の屋根材のことで、単一の金属素材や鉄の基材(鋼板)をメッキ加工したものです。金属屋根にもいくつか種類があります。カバー工法時(既存の屋根材の上から被せる施工法)に使用されることも多い屋根材です。

 他の屋根材よりも重量が軽く耐震性に優れており、比較的安価な素材もあります。燃えにくく、防水性に優れており、加工しやすいのが特徴となっています。耐久年数は種類によって異なりますが、主流のガルバリウム鋼板ですと約20年から30年で、SGL(エスジーエル)は30年から50年と言われています。塗装によるメンテナンスは、7年から10年に1度の頻度が望ましいとされています。

 画像の立平葺きとは、金属屋根を使用した工法で、軒(屋根縁の部分)に対して、垂直方向に葺く縦葺きの一種です。屋根の頂点から軒まで継ぎ目がないため排水性能が非常に高く、雨漏りに強いです。

 主流となっている金属屋根材であるガルバリウム鋼板を紹介します。
・ガルバリウム鋼板
金属鋼板を亜鉛やアルミ二ウム、シリコンなどでメッキした素材で、1970年代にアメリカで開発されました。現在では、金属屋根の主流として使用されており、耐久年数が30年と長く、耐食性が高く錆びに強い、軽量で耐震性があるといった特徴がありますが、製品によっては凹みやすいなどのデメリットもあります。以前懸念されていた断熱性や遮音性の低さは、断熱素材一体型の製品が出てきたことにより大幅に改善されています。

・SGL(エスジーエル)鋼板
ガルバリウム鋼板をベースにしてマグネシウムの防錆効果を加えた屋根材です。耐食性はガルバリウム鋼板の3倍を超えるとされており、腐食を抑制する効果が非常に高い素材です。価格もガルバリウム鋼板より少し上がる程度となっています。

金属屋根 横葺き

 横葺きとは、鋼板の長手を軒と並行にして、軒先から屋根の頂点へ横向きに葺いていく工法のことです。横葺にもいくつか種類があり、大きく分けると「平葺き」と「横葺き」があります。

 平葺きは、フラットに葺いていく工法で見た目がシンプルですっきりした印象があります。対して、段引きは段差を付けた工法になり、より立体感があり水切れがよくなるため雨漏りを防ぐことができます。しかし、高低差を付ける過程で金具が必要であることから平葺きよりもコストがかかる可能性があります。

 横葺きは、デザイン性が豊富で複数の屋根材を組み合わせることなどができます。また、施工方法によってスタイリッシュな雰囲気を出すことも可能です。屋根材が縦葺きのものより小さいことから、比較的防音性能が高くなっています。
 反面、縦葺きと比較して継ぎ目が多いことなどから、約3寸(17度)以上の勾配がないと屋根の劣化や雨漏りにつながる可能性は高くなっています。


※補足※
弊社では、その他屋根材での施工のほか、
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